日本交通科学学会誌
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Print ISSN : 2188-3874
二輪車事故による腕神経叢麻痺者のための上肢装具と訓練手法の開発
柴田 芳幸花房 昭彦志岐 文也大西 謙吾水澤 二郎山本 紳一郎
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2017 年 16 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

腕神経叢麻痺は出産時や交通事故により、頸部に多大な衝撃が加わることで末梢神経が損傷したり、脊髄から引き抜かれてしまうことにより生じる上肢の運動機能障害である。本研究では、二輪車事故による右肩関節部、肘関節部の運動機能が麻痺した患者についてADL(Activities of Daily Living;日常生活動作)を向上させるための上肢装具の開発、運動訓練上肢装具の開発、TVR(Tonic Vibration Reflex;緊張性振動反射)を利用した新しいリハビリテーション手法の開発を行った。ADL向上のための装具を利用することで、いくつかの動作において有用性が確認できた。次に、運動訓練上肢装具を利用することで、不全麻痺筋を疲労させることができたが、長い時間訓練を持続することが難しかった。最後に、本実験方法、評価では腕神経叢麻痺者だけでなく健常者の骨格筋においてもTVRが誘発できたか確認することができず、新しいリハビリテーション手法開発を根本的に見直す必要があることがわかった。

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© 2017 一般社団法人 日本交通科学学会
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