2014 年 101 巻 p. 25-34
本稿は2012年から2年間,8大学の図書館が参加した「大学図書館電子学術書共同利用実験」の成果報告で,2014年3月20日に開催されたシンポジウムにおける3つの発表から構成されている。「8大学共同モニター実験」では,設置母体や学部・学生数の違いに関係なく,電子書籍の学術利用への具体的なニーズが存在することを示している。「貸出分析」の結果,大学図書館が必要としているタイトルの量や出版社などが明らかになった。「Discovery Service」では,学内公開を行う際の実装法を紹介し,新しいサービスの可能性も提案する。最後に,大学図書館にとっての電子書籍の可能性や今後の課題を考察する。