2017 年 107 巻 論文ID: 1702
大学図書館のサービスは,資料中心型から利用者の活動中心型へと変容した。これからの大学図書館は,利用者の知的生産活動をいかに捕捉していくかが鍵を握る。知的生産活動を捕捉することは,必然的に「電子図書館」と「場所としての図書館」を接合させる。これを達成する新たな図書館像として,学習活動自体を「コト」の情報として保存・発信できる「記憶するラーニング・コモンズ」を提案する。本構想を実現するには,メタデータ技術からセンシング技術まで,多様な情報技術の統合的活用が不可欠である。図書館のシステム設計に対する考え方を転換し,学生の学習活動全体を支える連続的なプラットフォームの一部として捉えることが重要である。