国立大学は自らの改革や大学院重点化に加えて競争原理の導入や統合再編そして法人化と,大きな変革の真只中にある。国立大学の図書館は,大学における教育研究の基盤をなす必須の組織として法的に高い地位を保障されてきたが,法人化に伴いその法的根拠のひとつを失い,自らその存立の基盤を再構築する必要も生じている。本稿では,こうした法人化に伴う課題だけではなく,それ以前の段階で大学図書館が抱えている一般的な課題とその解決法,新しい大学図書館像等について考察し,この約6年間に亙る九州大学附属図書館における様々な活動を紹介することによって,ひとつの大学図書館像を示し,諸課題への具体的な解決法を例示したい。