2004 年 72 巻 p. 18-29
日本の大学図書館におけるデジタルレファレンスサービス(DRS, Digital Reference Services)の現状と,それに対する大学図書館員の見解を明らかにするために,質問紙法による調査を2003年に実施した。日本の大学図書館(301館)のレファレンス業務担当者(1,013名)に質問紙を送付し,返送を求めた。1,013通の送付に対して,488通の返信があり,有効回答は412通であった(回収率40.7%)。その結果,66.7%(275名)がDRSを実施していると回答しており,使用しているツールは電子メールとウェブフォームが多いことが判明した。DRSを実施していない理由としては,「人員の不足」と「レファレンスに対する需要の低さ」が顕著であった。この調査により,日本の大学図書館におけるDRSの一面が明らかになった。しかしサービスの内容など,質的な側面に関する調査は,今後の課題である。