マサチューセッツ大学アマースト校理工学図書館 (Science and Engineering Library of the University of Massachusetts Amherst) では,東アジアからの多くの留学生にサービスを行っているが,その図書館の使い方は米国人学生とかなり異なる。彼らは図書館で長時間過ごすが図書館員に研究支援を求めることはほとんどなく,研究の大部分でGoogleを利用する結果,図書館が提供するかなり有用な情報源に気付かない。東アジアの留学生の期待を理解するため,筆者は中国,日本,韓国の大学図書館を訪問し,米国の図書館との重要な相違点を見出した。それは東アジアと米国における学術文化の差異から生じている場合もあるが,図書館員教育の違いにもよると考えられる。筆者は,本稿でいくつか所見を述べるとともに,米国北東部で成功している低料金の図書館員研修企画の事例にも触れる。