抄録
【目的】A町の認知症予防講座や交流会のいずれかに参加した住民の認知症に対するネガティブとポジティブな認識を明らかにする。
【方法】参加者18名を分析対象とした。半構成的面接を実施し、認知症介護経験群、認知症介護未経験群、認知症の人との関わりのない群に分けてネガティブとポジティブな視点から分析した。
【結果】ネガティブは106コード(65.9%)で、ポジティブは57コード(35.0%)であった。3群に共通していた認識には【認知症の特有な症状と行動の出現】【認知症の人は可哀そうな人】《昔のことは覚えている》があった。【認知症の特有な症状と行動の出現】は認知症の人と関わりのない群が13/32コード(40.6%)で、3群のなかで占める割合が最も高かった。ポジティブな認識には、介護経験群では【喜怒哀楽を感じる能力が残存】、介護未経験群では【良い関わりで役割を発揮】、認知症の人と関わりのない群では【物忘れに寛容になり、やれることに着目する】などがあった。
【結論】参加者のポジティブな認識を増やす工夫が望まれる。