2025 年 41 巻 1 号 p. 3-10
抄録 新型コロナウイルス感染症の影響により,歯科大学・歯学部において従来の対面型実習を行うことが困難となった.そのため日本歯科大学においても,従来の対面型のインストラクター主導型Basic Life Support(BLS)実習の代替手段に,知識パート部としてe–Learningによる自己管理学習,スキルトレーニングパート部として,成人,乳児マネキン,視覚的フィードバックを受けるためのPC端末が搭載されたRQIカートを用いたスキルトレーニングにて構成された「HeartCode® 2025 BLS Complete」を用いた遠隔実習を導入した.
そこで,上記遠隔実習についてコンテンツ満足度のアンケート調査,スキルトレーニングのフィードバック結果の比較検討を,日本歯科大学所属の臨床研修歯科医・第5学年学生・従来の対面型BLS実習担当インストラクターを対象に行った.その結果,アンケート調査においては,高いコンテンツ満足度を得ることができた.また,フィードバック結果から,従来の対面型のインストラクター主導型BLS実習と同等の実習効果が期待できた.
以上のことから,HeartCode® 2025 BLS Completedを用いた遠隔実習は,従来の対面型のイントラクター主導型実習と同等の教育効果が期待できることが示唆された.