口腔衛生学会雑誌
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原著
妊娠初期における口腔内自覚症状と関連要因の分析
大友 舞松浦 和代
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2022 年 72 巻 3 号 p. 165-172

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抄録

 本研究は,無記名自己記入式質問紙を用いて,18歳以上で妊娠16週未満を対象に口腔内自覚症状と口腔保健行動との関連を明らかにすることを目的とした.

 口腔内自覚症状に関する調査項目は,口腔保健質問紙調査票(日本歯科医師会,2014)のうち「歯を磨くと血が出る」「歯ぐきが腫れてブヨブヨする」「冷たいものや熱いものが歯にしみる」を使用した.1症状以上該当した場合を「口腔内自覚症状あり」とした.口腔保健行動は口腔保健質問紙調査票の「保健行動」(9項目),つわりはEmesis Index(北川,1995)(5項目),生活習慣は自作の16項目とした.

 分析は,口腔内自覚症状ありを従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.調査用紙の配布数は981部,有効回答数は509部(有効回答率74.5%)であった.「口腔内自覚症状あり」群は370名(72.7%)であった.「口腔内自覚症状あり」の関連要因は,歯間ブラシまたはフロスを時々使用または使用しない,つわりの重症度であった.

 本結果より,妊娠初期においては,適切な口腔清掃行動を推進することが重要であることが示唆された.

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© 2022 一般社団法人 口腔衛生学会
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