2023 年 73 巻 2 号 p. 112-121
本研究の目的は,高齢者における口腔保健に関する信念や口腔保健行動と歯数との関連を明らかにすることである.1998年に新潟市に在住する70歳の者600名を対象とし,口腔診査と質問紙調査を実施した.口腔保健に関する信念や口腔保健行動を点数化した後,口腔保健に関する信念と行動の関連をロジスティック単回帰分析により,また歯数を目的変数として口腔保健に関する信念および行動の関連を共変量とともに単独あるいは両者を組み合わせた3つの順序ロジスティック回帰モデルを作成し最終評価した.
ロジスティック単回帰分析では,口腔保健行動スコアは口腔保健に関する信念スコアと有意な関連を示した.また,順序ロジスティック回帰分析では,現在歯数と口腔保健行動が有意な関連がみられた.以上の結果から,口腔保健行動は口腔保健に関する信念と相互に関連しており,さらに,望ましい口腔保健行動が高齢期における歯の維持に寄与している可能性が示唆された.