口腔衛生学会雑誌
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原著
溶媒の特性がクルクミンのPorphyromonas gingivalisに対する増殖抑制効果に及ぼす影響
瀬古 雄亮, 村井 浩紀, 松村 玲子, 平田 善彦, 久保庭 雅恵, 天野 敦雄
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2023 年 73 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

 クルクミンはウコンの根茎に含まれるポリフェノールであり,Porphyromonas gingivalisへの増殖抑制効果を有していることから歯周病予防を目的としたオーラルケア製品への応用が期待されている.歯周病原菌への増殖抑制効果の評価には,ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したクルクミン溶液が用いられていた.しかし,DMSOは安全性が低いため,オーラルケア製品には配合できない.本研究では,DMSOまたは2価アルコールに溶解したクルクミンを用いて,溶媒の違いが増殖抑制効果に及ぼす影響およびその要因を検証した.DMSOまたは2価アルコールに溶解したクルクミンを液体培地に添加し,P. gingivalisを嫌気培養した.溶液中のクルクミン溶解濃度は,溶液を遠心分離し,上清に含まれるクルクミン濃度をHPLCで定量した.0.1, 1%のDMSOに溶解したクルクミンによる増殖抑制率は対照の77.5, 79.1%であった.0.1, 1%のプロピレングリコール場合は40.8, 56.8%で,溶媒による違いがみられた.0.1, 1%のDMSO中には1.7, 2.5 µg/mL,0.1, 1, 5, 10%のプロピレングリコール中には0.4, 0.7, 2.2, 2.7 µg/mLのクルクミンが溶解していた.増殖抑制効果の差異は,クルクミンの溶解濃度が異なることが要因であると考えられた.10%の2価アルコールにおけるクルクミンの溶解濃度がDMSOと同等程度であったことから,この濃度においてP. gingivalisの増殖抑制効果を発揮すると想定される.2価アルコールは安全性が高いため,オーラルケア製品にクルクミンを配合する際の溶媒として有用である可能性が示された.

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© 2023 一般社団法人 口腔衛生学会
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