口腔衛生学会雑誌
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歯質の試験管内褐色着色に関する予備的研究
大西 正男弓削 朝子鷹森 健志郎
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1967 年 17 巻 2 号 p. 75-84

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抄録
1. 17菌種あるいは群に属する76菌株を試験歯牙片を加えてある1%ブドー糖ブイヨン中で20日間37℃で培養すると, 培地pHの低下に応じて歯牙片は強く褐色に着色した。
2. 着色に必であつた条件の1つは, 肉エキス中にあり, 活性炭で吸着される物質である。 この他にこの物質が歯質と結合するために必要なpH低下による反応基の開放であると考察された。
3. 歯質の着色はpH低下の他, アルカリ性でもNa2-EDTAによるキレート作用でもおこつ. 反応基の開放は脱灰によるものと思われる.
4. 着色可能の物質としては, 肉エキスのほにイーストエキス, 醤油の中に含まれている不明の物質の他に, フミン, ピルビン酸, ブドーおよびカルメラ等が考えられた。 この中には齲蝕組織内で作られない外来性のものも含まている、
5. プドー糖溶液でカルメラを形成しているものはアルカリ性でも強い着色をじた。 糖の歯質に対する脱灰作用が着目された。
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