口腔衛生学会雑誌
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Ethyl-2-cyanoacrylateを用いた齲蝕予防填塞材に対するエポキシ樹脂粉末の応用に関する研究
中川 正晴
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1971 年 21 巻 1 号 p. 70-93

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抄録

齲蝕予防填塞法の有効期間を延長させる目的で, Ethyl-2-cyanoacrylateとPoly-methylmethacrylate粉末とを主剤とする従来の齲蝕予防填塞材のPoly-methylmethacrylate粉末の代りに, 4種類のエポキシ樹脂粉末を用いた4種類のエポキシ填塞材, これらの填塞材の粉末として用いた4種類のエポキシ樹脂, 従来のPMMA填塞材, この填塞材の粉末として用いたPoly-methylmethacrylateについて, それぞれの曲げ強さ, たわみ量, 圧縮強さ, かたさ, 摩耗量, 吸水量, ならびにエポキシ填塞材, PMMA填塞材についての接着引張強さ, 辺縁封鎖性を測定し, Poly-methylmethacrylate粉末の代りに, エポキシ樹脂粉末を用いた場合の, 填塞材の物性に与えるエポキシ樹脂粉末の影響について研究した。その結果, 4種類のエポキシ填塞材のうちで, 8項目のすべての物性にわたり, PMMA填塞材より優れた成績を示したものはなかつたが, 総合的にみた場合には, G2000エポキシ填塞材が最も良く, TPAエポキシ填塞材, DDMエポキシ填塞材およびPMMA填塞材は, ほぼ同様であり, HPAエポキシ填塞材は, 悪かつた。また, 填塞材の物性に影響を及ぼす要因に基づき, 実験項目ごとの填塞材の物性に現われた現象を説明した。

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