口腔衛生学会雑誌
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口腔内Candidaの生態学的研究
浅香 次夫
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1971 年 21 巻 3 号 p. 264-278

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抄録
健康な口腔におけるCandidaの生態について数量的な研究を行なった。対象となるCandidaがきわめて少数のため, 従来の方法にくらべ多数集菌可能な検出法を考案し, これにより, まず口腔内Candidaの常在性について追究した。10人について10日間連続観察を行ない, 1) 含嗽原液, 遠沈沈渣両者から検出できた群 (4例), 2) 沈渣のみから連続検出された群 (2例), 3) 原液, 沈渣とも非検出の群 (4例) の3群に区分された。日による検出, 非検出の変動はみられず, 各例とも検出菌数はほぼ一定のlevelを保持していることが認められた。また検出群における菌数対数値の分布は正規型を示した。部位別検出頻度を比較すると, 歯頸部, 口蓋扁桃, 頬粘膜にくらべ, 舌背表面において最も高率に検出された。
次にLactobacillus数との関係をみると, 両菌数は含嗽水では一定の範囲内で正の相関を示し, この関係は舌背表面においても観察された。さらに抗生物質による両菌数の変化と発症との関係を追究した。同条件の投与においても本検出手技による投与前Candida検出, 非検出両群の間には, 菌数の増加ならびに発症率に明瞭な差がみられた。増加菌種の中では, C. albicansが最も多く, その増加と発症との間に強い関連が示された。これらの点から, 抗生物質投与前における口腔内Candida検索の意義について考察した。
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