抄録
歯口清掃状態と歯科疾患との相関々係について, 仙台市の市街地に隣接する1中学校生徒 (年齢12歳~15歳) を対象として検討した。すなわち, 1969年度在校生288名 (男子149名, 女子139名) および1970年度在校生265名 (男子134名, 女子131名) についで視診型の口腔診査を行い, GreeneとVermillion (1964) によるOHI-Sであらわされる歯口清掃状態と前歯部PMAのおのおの並びに齲蝕罹患状況との相関を検討した。
その結果, 1969年度在校生, 1970年度在校生ともPMAとOHI-Sとの間に統計的に有意の正の相関々係が認みられたが, DMFTとの間には男女とも相関々係が認められないというほぼ類似の成績が得られた。
この理由として従来, 歯口清掃状況の判定が頬舌歯面のみで行われ, 齲蝕罹患の主体である咬合面の清掃状態を無視していたためではなかろうかとも考えられたので, 1970年度在校生については, 原則として上下顎第1大臼歯4歯の咬合面のみを対象とする咬合面歯垢指数Occlusal Plaque Index (O・P・I・) を考案し適用した。
その結果, O・P・I・とDMFTとの間には男子で0.1%の危険率, 女子で1%の危険率でともに統計的有意の正の相関々係が認められた。
このことから歯垢面積によってあらわされる大臼歯咬合面の歯口清掃状態とDMF歯との間に正の相関々係があることが明らかになった。