口腔衛生学会雑誌
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Ultrasonic Scalerを用いた歯石除去についての検討
広川 満
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1972 年 22 巻 1 号 p. 46-78

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抄録
歯石除去が手用器具を用いて行なわれる従来の方法から, 近年超音波発振を応用した超音波歯石除去器が開発され, これの利用が歯石除去の能率化に役立つている, と言われている。
この超音波歯石除去器について, すでに, 海外において, Zinner, Johnsen, Goldmanら, 本邦においても, 中静, 小西, 今川ら多くの研究者により検討が行なわれている。しかし, 長所短所いずれの点についてもまだ充分な検討がなされているとは言えないようである。
そこで, 著者は超音波歯石除去器と手用歯石除去器による歯石除去についての比較を1) 歯石沈着量および歯石の硬さの差異から除石時間について, 2) 歯面への傷の発生と研磨について, 3) 歯石除去時における患者の不快感, 疼痛および出血などについて行なつた。また4) 歯石除去時の患者の生体反応について調査測定した。
著者は以上の調査測定成績により歯石除去における超音波歯石除去器および手用歯石除去器の特徴を把握すると共に, 長所短所を明らかにした。その結果, 超音波歯石除去器を使用することは手用歯石除去器を使用する場合よりも効果的であるとの結果を得た。
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