口腔衛生学会雑誌
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アルミニウム共存下におけるフッ素の定量
フッ素イオン電極法
矢崎 武奥寺 元飯塚 喜一
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1973 年 23 巻 3 号 p. 177-181

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抄録

フッ素 (F) の定量において, アルミニウム (Al) はこれを妨害する最も大きな因子の一つである。今までのAI存在下でのF定量法は, Alを除去するために操作が複雑になるなど, 実用上多少の難点があった。今回, フッ素イオン電極を用いてAl共存下でFの定量を行なう方法を考え, 実験を行なった結果, 測定法, 測定感度ともに満足できる成績を得ることができた。すなわち, AlF68-を強アルカリ下で破へいし, Al-Oxine錯体をつくらせ, Fを遊離させた後, pHとイオン強度を調整しフッ素イオン電極で測定を行なった。その結果, OxineあるいはAl-Oxineを抽出除去することなく, 4ppmのAl存在下で, F 0.1ppm (5.3×10-6M) 以下まで直線の検量線を得, Al, Oxineの存在しない測定法とかわらない精度が得られた。1 ppmのFは1OOppmのAlの共存下でも, ほぼ100%の回収が得られ, また人工氷晶石へのF添加実験でも良好な結果が得られた。

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