抄録
歯科大学 (大学歯学部を含む) の新設にともなう歯科医師の供給量の問題として, 現状の歯科医師数の把握と将来推計について検討を加えた。推計に使用した基本資料は, 1954年度, 厚生省 「医師・歯科医師・薬剤師調査」 の内の届出歯科医師数である。
方法は, 1955年~2015年までの60年間を, 1955年~1980年, 1981年~1986年, 1987年~2015年の三段階に分けて推計を行なった。
その結果,
1. 1979年の推計歯科医師数は, 55,338人と推計され, 1979年度の届出歯科医師数50,821人との間に4,517人, 8.2%の差を認めた。
2. 現状の歯科医師数は, 1980年で57,624人と推計され, 人口10万対比49.0人であると推測される。
3. 同本人の人口が安定期に入る2015年の歯科医師数は, 138,417人で人口10万対比99.8人と推計された。
4. 欧米諸外国の人口10万対歯科医師数の比較においては, 1980年現在にアメリカ, 西ドイツ, 2005年にノルウエー, 2010年にデンマーク, 2015年にはスウェーデンの現状と同対比になることが予測された。