抄録
小児がん末期におけるモルヒネ投与の有効性と安全性を検証する目的でその実際の投与量と期間,併用薬剤と副作用について後方視的に検討を行った。対象は1999年5月~2000年6月末までの14ヶ月間に当科で死亡した血液腫瘍の患児15名。モルヒネの使用率は80%(12例)。うち疼痛コントロールが評価可能な9例について検討した。使用日数は4~166日(中央値40日)。投与量は6.7~150mg/day。体重換算では0.007~0.200mg/kg/hrと従来の報告よりも少ない結果となった。一人の患児において経過の中で最も長期間投与された一日投薬量を個々の患者で最頻値として算出すると6.7~150mg/day(中央値20mg/day)体重換算で0.009~0.104mg/kg/hr(中央値0.019mg/kg/hr)であった。副作用は便秘78%,吐気33%,混乱11%,かゆみ22%,眠気22%であった。当科においてはがん末期の小児に高い率でモルヒネが投与され,Qualityoflifeの向上に重要な役割を担っている。モルヒネ投与が過去の報告より少ない量でコントロールが可能であった理由はステロイドや抗不安薬などの補助薬剤も併用し,トータルケアを行っているためであると推測された。