日本皮膚科学会雑誌
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限局性強皮症における免疫学的異常について
竹原 和彦中林 康青石橋 康正諸井 泰興相川 崇史稲葉 和代飯塚 啓介
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1984 年 94 巻 2 号 p. 121-

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抄録
限局性強皮症41例(morphea(M)10例,generalized morphea(GM)10例,linear scleroderma(LS)21例)について,免疫学的異常を検索する目的で,以下の検討を加えた.(1)抗核抗体を含む血液学的,血清学的検討(2)螢光抗体直接法による病変部皮膚における免疫グロブリンの沈着.(3)Sjogren症候群の合併の検索.結果は以下のごとく要約される.(1)HeLa細胞を基質とした螢光抗体間接法では,GM77.8%,LS65.0%,M33.3%に,マウス腎を基質とした場合は,GM77.8%,LS35.0%,M11.1%に抗核抗体が検出された.RA test陽性,hyper-γ-globulinemia,血沈亢進,末梢血好酸球増多は,GMにおいて他の病型に比してより高頻度に認められた.(2)螢光抗体直接法では,GM4例中3例に表皮細胞核にIgG,2例に表皮真皮接合部にIgM,1例に真皮血管壁にIgMの沈着が認められたのに対して,LS3例では陰性,M5例中では1例に表皮真皮接合部と真皮血管壁にIgMの沈着が認められたのみであった.(3)GM2例におよびLS1例において,眼科的に他覚検査で乾燥状態(+),sialographyでの異常所見(+),lip biopsy での異常所見(+)のうち,2つ以上の異常が認められ,Sjogren症候群の合併が強く示唆された.以上述べた結果より,GMはLS,Mに比して,より強い免疫学的異常を背景に有する病型であろうと思われた.
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© 1984 日本皮膚科学会
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