抄録
今後の小児chronic kidney disease(CKD)に対する薬物療法のエビデンス作りを視野に入れ,前段階の調査として成人の糖尿病性腎症以外のCKDに対するangiotensin-converting enzyme inhibitor(ACEI)とangiotensin receptor blocker(ARB)の腎保護作用に関してMedlineと医学中央雑誌の過去10年間の文献を検索しレビューした。成人のCKDに対するACEIとARBの効果に関する文献は多数検索され,多くはその有効性を報告する結論であった。ACEIとARBの比較では,同等かあるいはARBの方が有効とする報告が散見された。ACEIあるいはARBの単独療法と併用療法を比較した検討では,併用療法のほうがより腎保護効果は高いとする報告もあった。このように成人のCKDに対するACEIとARBの有効性がエビデンスを持って多数報告されていた。しかし小児のCKDに対するACEIやARBの有効性についてのエビデンスはなく,その蓄積は急務と思われ,今後適切にデザインされたランダム化比較試験の実施が期待される。