抄録
本研究では,保護者の治験参加意思に影響する心理状態について検討した。調査対象は,当院において現在治験参加中である0~6歳の被験児24名と治験に参加していない保育園児89名,計113名の乳幼児の保護者とした。調査は,治験参加に関する聞き取り調査(保育園児のみ)および不安感情に関する心理検査を行った。その結果,①保護者の治験認知と参加意思とには有意な関連がないこと,②現在治験参加中の保護者は,参加していない保護者に比べて,1)性格的傾向は不安感情が有意に低く,日常生活において安心や幸せを感じている2)何かに失敗した時に過剰に落胆したり,固執し続けたりしない傾向があることが明らかになった。このことから,保護者の日常的な安心感や幸福感,および不安を感じやすくない性格的傾向が治験参加への促進因子になり得り,治験実施とは直接関係のない日常生活からくる不安や不安になりやすい性格的傾向が治験参加への阻害因子になる可能性があると考えられた。