日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
マイクロ空間を有する細胞培養チップの開発
一丁田 (江尻) 洋子鶴田 仁志中村 和昭水谷 玲子田上 昭人
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2009 年 22 巻 1 号 p. 87-89

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抄録
生体内で細胞は,複雑な三次元組織構造をしており,細胞間相互作用や細胞周囲に存在するコラーゲンなどの細胞外マトリクス等の相互作用により,高度にその機能が維持されている。このような生体内環境を模倣した様々な培養方法が近年多く提案されるようになってきた。例えば,ゲル上もしくはゲル内部で,スフェロイド状の細胞塊を形成させる三次元培養法が挙げられる。この方法は,細胞機能を維持できる点で優れているが,ゲル化させる工程が必要となり操作が複雑となる。そこで,株式会社クラレでは,このような複雑な前処理工程なしで,三次元培養可能な新しい培養容器を開発することとした。これは,底面にマイクロメートルオーダの規則的な凹凸が配置された培養容器(以下マイクロ空間培養容器)で,二次元表面の培養容器と同等の観察性と操作性を有している。本検討では,高さ50μmの壁で仕切られた,幅が200μmの正方形のマイクロ空間を有する培養容器を用い,ヒト肝細胞をもつキメラマウス(フェニックスバイオ社より入手)由来の肝実質細胞を培養して,細胞塊の形成,主要なCytochromeP-450(CYP)酵素群のmRNA発現量,及び,CYP1A2,3A4の代謝活性能について検討した。その結果,マイクロ空間培養容器では,幅50~150μmの細胞塊が形成され,主要なCYP酵素のmRNA発現量及びCYP1A2,3A4の代謝活性が,平面培養と比較して,有意に高い値を示した。そのことから,簡便に高機能の肝細胞塊が作製できる培養容器として有用であることが示唆された。
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© 2009 日本小児臨床薬理学会
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