抄録
夜尿症の有病率は小学校1年生で10%程度と頻度の高い疾患である。一般に夜間尿量の多い多尿型,膀胱容量の少ない膀胱型と両者がみられる混合型の3病型に大別される。夜尿症の治療は,まず生活指導を行い効果が認められなければ薬物療法やアラーム療法を考慮する。すなわち,多尿型には,バソプレシンの誘導体・デスモプレシンを用いた抗利尿ホルモン療法を,膀胱型には夜尿アラームを用いたアラーム療法や抗コリン薬の内服を,混合型にはこれらの併用を行う。デスモプレシン製剤は,V2受容体に対して高い選択性を有し,抗利尿作用が長時間持続する。本邦では,尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症(≑多尿型夜尿症)に対して2012年に経口剤が口腔内崩壊錠として追加承認された(ミニリンメルトOD錠Ⓡ)。しかし重篤な副作用として,水中毒や低Na血症が報告されているので抗利尿ホルモン療法を行うにあたっては,患者と家族に対して厳重な水分摂取管理の必要性を十分に説明・指導する。