日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
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ALK 遺伝子再構成陽性の神経芽腫に対してクリゾチニブが安全, 有効であった 1 例
冨家 俊弥松野 良介外山 大輔秋山 康介塚田 大樹花村 麻衣子磯山 恵一向後 麻里佐々木 忠徳
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2015 年 28 巻 1 号 p. 7-10

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抄録
神経芽腫は小児がんの中では白血病,脳腫瘍に次いで最も頻度の高い腫瘍の一つである。その中でも高リスク群に属する進行期神経芽腫は,多くの化学療法に対して抵抗性を示し,予後不良である。近年,神経芽腫の原因としてAnaplastic Lymphoma Kinase(ALK)遺伝子の異常が報告され,神経芽腫の約10%にALK関連遺伝子変異が認められている。クリゾチニブはALK融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害する分子標的薬である。Children's Oncology Groupの第1相試験では,ALK遺伝子変異が認められる神経芽腫の患児において,有害事象を殆ど認めず,かつ有効な結果が得られた。今回,進行期神経芽腫で多剤併用化学療法が無効で,経過中にALK遺伝子再構成を認めた患児に対してクリゾチニブを用い,有効性と有害事象をモニターしたので報告する。クリゾチニブ開始4ヶ月後の時点では重篤な有害事象を認めず,病態安定を維持している。なお,本治療に関しては昭和大学藤が丘病院臨床試験審査委員会の承認および患者と保護者の自由意思による文書同意を得ている。
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© 2015 日本小児臨床薬理学会
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