抄録
症例は紫斑病性腎炎によるネフローゼ症候群を発症した6歳の女児である。腎病理組織はInternational Study of Kidney Disease in Children(ISKDC)分類gradeIIIbで,ステロイドパルス療法,ウロキナーゼ,ミゾリビン(MZR)を含む多剤併用療法を行った。MZRの血中と尿中濃度を測定し,薬物動態についても検討した。初期量として8mg/kg/日(200mg/日)のMZRを投与し,最高血中濃度(Cmax)が低値(1.05µg/mL)だったため,14.5mg/kg/日(400mg/日)に増量した。Cmaxは2.85µg/mLに上昇し,有効とされる血中濃度(2.6µg/mL)を得ることができた。高尿酸血症を含むMZRの副反応は認めず,治療開始から約2年間で薬物治療を終了し,現在,寛解を維持している。本症例において,MZRの薬物動態を解析することは高用量のMZRを必要とした要因を検討し,有効とされる血中濃度を得るために有用であった。