日本小児臨床薬理学会雑誌
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難治性ネフローゼ症候群における薬の使い方-リツキシマブ療法の現状と課題-
伊藤 秀一
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2017 年 30 巻 1 号 p. 111-115

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抄録
小児特発性ネフローゼ症候群は,小児糸球体疾患の中で最も多い疾患であり,幼児期に好発し,高度蛋白尿,低アルブミン血症,浮腫を主徴とする。約90%の患者はステロイド薬に良く反応し,速やかに寛解する。しかしながら,約1/3の患者は,頻回に再発しステロイド薬の減量が困難になり,約10%の患者はステロイド薬に抵抗性を示す。これらの患者においては,ステロイド薬の副作用や,原病に起因する症状や合併症が大きな問題となる。わが国では,10年以上前から小児腎臓病学会が中心となり,小児期発症の難治性ネフローゼ症候群患者へのリツキシマブ療法の開発を推進してきた。その結果,医師主導治験を経て,2014年8月に小児期発症難治性ネフローゼ症候群への適応承認を,世界で初めて取得することに成功した。現在,本剤は小児のみならず成人患者にも広く使用され始めており,多くの患者に恩恵をもたらしている。しかしながら,本症へのリツキシマブの使用経験は十分とは言えず,長期間にわたる有効性・安全性の検証が必要である。本稿では,難治性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ療法の現状と課題について概説する。
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© 2017 日本小児臨床薬理学会
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