日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
小児在宅中心静脈栄養療法における薬剤師の役割
川名 三知代徳永 秀美初田 稔廣原 正宜串田 一樹石川 洋一
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2017 年 30 巻 1 号 p. 42-47

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抄録
近年の小児医療の進歩によって,短腸症候群など重症腸疾患をもつ患児も中心静脈栄養で成長できるようになった。一方で調剤技術も進歩し,これまで病院内でしか行えなかったTPN(中心静脈栄養法:Total Parenteral Nutrition)を家庭で行えるよう薬局に無菌調製設備が導入され,輸液製剤のキット化も進むなど地域の薬剤供給システムが整備されつつあり,それまで「入院し続けざるを得ない」患者がHPN(在宅中心静脈栄養法:Home Parenteral Nutrition)を継続しながら自宅で過ごせるようになった。TPNが必要な小児においても,自宅で自由に動き回ることや家族と共に過ごすことは,その成長に大きな影響を与えると思われる。しかしながら,細やかな処方指示の小児HPNの無菌調製を経験した薬局は少なく,患児が暮らす地域の薬局と医療機関とが連携するしくみもないため,小児のHPNの導入は成人のHPNよりも困難を伴う。今回,当薬局が介入した小児HPN患者において,小児用高カロリー輸液基本液のゴム栓形状変更後に薬液の漏れを経験し,トラブル発生時の対応を含めて小児HPN管理について検討した。同時にこの事例では,病院薬剤師の調整能力および所属機関の枠組みを超えた研究会活動が,安全・円滑に小児在宅医療を推進できる事実および地域医療にもたらす新しい価値を薬局薬剤師の立場で検証することができたので報告する。
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© 2017 日本小児臨床薬理学会
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