抄録
母子垂直感染による眼病予防のために新生児に点眼処置されているレボフロキサシン(クラビットⓇ)点眼液について,その有効性・安全性を検討した。調査期間内に出生した新生児は全例点眼処置をされていた。帝王切開,経腟分娩の眼脂発生率を比較したところ有意差はなく,眼脂培養結果でのSTDに関連する起因菌も検出されなかったことから,当院では垂直感染による眼病発生は考えにくいことが示された。しかしながら,眼脂発生した児の17%でMRSAが検出された。通常MRSAに対するレボフロキサシンの有効性は疑われるが,点眼液の場合濃度依存性に殺菌効果を示すことや,鼻涙管の発育,水平伝播の抑制などにより改善が認められ,点眼の有効性が示された。今後は耐性菌を考慮した使用回数,使用日数,使用手技などを検討していく必要がある。