日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
妊婦,授乳婦における薬に対する意識調査
平澤 裕美子上野 杏菜羽藤 加奈恵田頭 尚士山本 宏常久 幸恵多田 克彦中村 和恵
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 32 巻 1 号 p. 125-132

詳細
抄録
一部の薬剤にはヒトでの催奇形性や胎児毒性が報告されている。妊娠中の薬剤の使用は,胎児に危険性があるとの認識により,妊婦が薬剤を自己判断で中止してしまうこともある。しかし,妊婦が薬剤にどのようなイメージを持っているかの実態は不明な部分も多い。そこで,今回,妊婦,授乳婦におけるサプリメント,市販薬および薬剤(以下,薬)に対する意識調査を実施した。2017年1月から2018年6月までに母親教室を受講した妊婦,授乳婦を対象に妊娠,授乳と薬に関するアンケート調査を実施した。母親教室への参加者は延べ207人であり,そのうち202人から回答を得た(回収率98%)。妊娠中に薬を使用したことのある妊婦は172人(85%)だった。また,薬に対して不安を感じたことのある妊婦は67%(135/202人)であった。不安を感じる項目としては,薬の胎児への影響や薬の母乳移行・乳児への影響が多かった。妊娠中の薬の情報源に関しては,医師73%(147/202人),インターネット60%(121/202人),薬剤師41%(83/202人)が上位に挙がった。今回の調査より,多くの妊婦が妊娠中および授乳中の薬剤の使用に対して不安を感じていることが明らかとなった。また,情報源として医療従事者の他,インターネットを利用しているケースも多くあった。しかし,インターネットには,信頼性の低い情報が記載されている場合もあり,誤った情報を入手している可能性も考えられる。そのため,母親教室等を通じての,適切な薬剤の情報提供が重要である。
著者関連情報
© 2019 日本小児臨床薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top