抄録
乳糖不耐症による頻回の下痢はQOLを低下させるだけでなく,特に小児において脱水を引き起こす危険性がある。乳糖不耐症患者では乳糖摂取を制限する必要があるが,医薬品中の乳糖含量は一般的に公開されていない。本研究では医薬品中の乳糖含量を測定し,小児での乳糖摂取量及び乳糖不耐症患者への影響を検討した。医薬品16製剤の乳糖含量を測定し,一般的な用法用量から2歳,8歳および15歳における乳糖摂取量を算出した。さらに既報論文等から乳糖耐用量(下痢症状を起こさせない1回あたりの乳糖摂取量)を各年齢で推定し,乳糖摂取量と比較した。全製剤において,乳糖摂取量は乳糖耐用量に比べ非常に少なく,乳糖摂取量が最大となった医薬品の投与でも,その乳糖摂取量は乳糖耐用量の1/3以下であった。賦形や併用による乳糖摂取量の増加についても検討したが,医薬品中に含まれる乳糖が乳糖不耐症患者の下痢症状発症に影響する可能性は低いことが示唆された。