日本小児臨床薬理学会雑誌
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アセトアミノフェン静注液点滴投与で症状悪化し,スティーブンス・ジョンソン症候群の診断に至った 2 症例
溝口 達弘渕上 真穂在津 正文
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2019 年 32 巻 1 号 p. 53-56

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抄録
スティーブンス・ジョンソン症候群は,薬剤投与や感染等を契機に,高熱や全身倦怠感などの症状を伴い,眼・口唇・口腔・外陰部などを含む全身に紅斑・びらん・水疱が多発し,表皮の壊死性障害を認める疾患である。今回,アセトアミノフェン静注液の点滴投与後に症状が悪化し,スティーブンス・ジョンソン症候群の診断に至った2症例を報告する。両症例ともに,咽頭扁桃炎・歯肉口内炎として加療され,アセトアミノフェン経口製剤が使用されていた。疼痛管理目的でアセトアミノフェン静注液の点滴投与後,発熱が持続し,口腔内疼痛増強し,口唇にびらん・血性痂皮を認め,一部に皮膚の表皮剥離が出現した。投与薬剤を全て中止し,プレドニゾロン投与を行い,最終的にメチル・プレドニゾロンによるステロイドパルス療法で軽快した。皮膚生検の病理学的所見でスティーブンス・ジョンソン症候群と診断した。両症例ともにマイコプラズマ抗体価(ゼラチン粒子凝集法(PA法))は320倍であった。アセトアミノフェンによる薬剤リンパ球刺激試験について,症例1は強陽性(4,137%)で,症例2は陰性(157%)であった。アセトアミノフェン静注液は,経口投与が困難な疼痛時等に用いられるが,特に粘膜病変が疑われる場合には,スティーブンス・ジョンソン症候群を誘発する可能性を念頭に置く必要がある。
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© 2019 日本小児臨床薬理学会
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