抄録
迅速診断キットと相前後して登場した抗インフルエンザ薬は,2000年代初頭からまたたく間に診療現場に浸透した.わが国の国民皆保険制度とも合致し,リアルタイムでの迅速診断と病原体特異的な治療法は医療者と患者の双方に広く受容された.最も広く使用されてきた「ノイラミニダーゼ阻害薬」は,内服,吸入,注射の投与経路が選択できるようになり,2010年には単回治療薬(吸入・注射)も導入された.2018年から「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」であるバロキサビルが使用できるようになり,単回の経口投与による治療という点でも注目された.2019年にネブライザ吸入するラニナミビルが登場したことも新たな話題である.