日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌
Online ISSN : 2189-7085
Print ISSN : 1882-0123
症例
セレコキシブとサラゾスルファピリジン内服中に発症した薬剤性過敏症症候群の1例
野上 京子金子 栄千貫 祐子新原 寛之森田 栄伸
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ジャーナル 認証あり

2017 年 11 巻 2 号 p. 121-129

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抄録

 51歳女性。関節リウマチに対しサラゾスルファピリジン (SASP) 1,000 mg/日, セレコキシブ200 mg/日の内服を開始後, 27日目より38度台の発熱, 全身の紅斑を認めた。2週間以上遷延する皮疹と好酸球の上昇, 肝障害の二峰性の悪化, ヒトヘルペスウイルス-6の再活性化を認め, 典型薬剤性過敏症症候群 (DIHS) と診断した。薬剤添加リンパ球刺激試験 (DLST) , 皮膚パッチテストでセレコキシブが陽性となり, セレコキシブが原因薬である可能性が高いと考えた。しかし, 過去の報告ではSASPによるDIHSの症例が多いとされ, DLST, 皮膚パッチテストが陽性でない症例も含まれることから, SASPが原因薬の可能性も否定できなかった。血清TARC値は, 初診時は3,954.2 pg/ml, 発症18日目に13,944.1 pg/mlと高値を認めた。血清TARC値はDIHSの早期診断マーカーとして期待されているが, 本症例では, 症状の遷延とともに血清TARC値がさらに高値を示した。

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© 2017 一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
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