2017 年 11 巻 2 号 p. 121-129
51歳女性。関節リウマチに対しサラゾスルファピリジン (SASP) 1,000 mg/日, セレコキシブ200 mg/日の内服を開始後, 27日目より38度台の発熱, 全身の紅斑を認めた。2週間以上遷延する皮疹と好酸球の上昇, 肝障害の二峰性の悪化, ヒトヘルペスウイルス-6の再活性化を認め, 典型薬剤性過敏症症候群 (DIHS) と診断した。薬剤添加リンパ球刺激試験 (DLST) , 皮膚パッチテストでセレコキシブが陽性となり, セレコキシブが原因薬である可能性が高いと考えた。しかし, 過去の報告ではSASPによるDIHSの症例が多いとされ, DLST, 皮膚パッチテストが陽性でない症例も含まれることから, SASPが原因薬の可能性も否定できなかった。血清TARC値は, 初診時は3,954.2 pg/ml, 発症18日目に13,944.1 pg/mlと高値を認めた。血清TARC値はDIHSの早期診断マーカーとして期待されているが, 本症例では, 症状の遷延とともに血清TARC値がさらに高値を示した。