抄録
注意欠如・多動症の治療・支援では,心理社会的治療・支援および薬物治療をバランスよく実施していくことが求められるが,心理社会的治療・支援は薬物治療に先行して行うべきとされる.この治療薬として新たに承認されたリスデキサンフェタミン(ビバンセⓇ)は,中枢神経刺激薬であるが薬理学的に不活性なプロドラックであることが特徴的である.主に血中で活性化するため活性代謝物であるd-アンフェタミンの急激な血中濃度の上昇を防ぎ,持続的に血中濃度を維持でき,徐放化技術を用いることなく1日1回の服薬で有効性と安全性を確保できる.国内で実施された臨床試験で有効性が示され,有害事象は食欲減退,初期不眠症,体重減少,頭痛などであった.依存や乱用が危惧され,今後十分注意しなければならないものの,これまでの国内臨床試験ではこれらに関連する有害事象はみられなかった.適正使用のため今後も本剤に関する情報収集が必要である.