抄録
お薬手帳は子どもの薬の情報を医療機関で共有するツールであるが,十分に活用されていない場合が見受けられた.そこで,お薬手帳の意義と役割が果たせているかどうかを明らかにする目的で,小児患者におけるお薬手帳の利用状況について調査を行った.調査期間と対象は,2018年4月16日から10月15日までに草加市立病院小児科病棟に入院し,薬剤師が面談を実施した服薬経験のある患児とした.調査項目は,お薬手帳を所持していた割合(所持率),そのうちお薬手帳を持参していた割合(持参率),薬剤アレルギー・副作用歴の有無とお薬手帳への記載の有無および持参薬の重複投与と併用禁忌の有無について後方視的に調査を行った.対象患児は376名であり,お薬手帳の所持率は90.7%,持参率は81.2%であった.薬剤アレルギー・副作用歴は14名に認められたが,お薬手帳に記載があった患児は6名であった.持参薬の重複投与や併用禁忌はみられなかった.お薬手帳の所持率および持参率は高く,子どものお薬手帳に対する保護者の関心は高いと考えられた.