抄録
小児医療において,服薬コンプライアンスの確保は十分な治療効果を得るために重要である.小児患者での服薬不遵守となる要因の多くは,薬剤の「味」にある.特に,小児感染症治療に汎用される抗菌薬は苦味を呈する薬剤が少なくない.マクロライド系抗菌散剤とカルボシステインドライシロップは混合することにより苦味を呈することが報告されており,服用困難例も多い.今回,クラリスロマイシン,アジスロマイシンに塩基性条件下でカルボシステインを混合することにより苦味の発現を防ぐことができるのではないかと考え,水道水を含めた 6種の溶解液を用いて官能試験,pH測定を行い服用性の改善について検討した.炭酸水素ナトリウム水,調製豆乳では水道水で溶解した時に比べ有意に服用性が改善し,混合服用が可能となった.これにより,保護者の小児患者への服薬時の負担が軽減され服薬コンプライアンス向上に寄与できる可能性が示唆された.