抄録
Society 5.0は,持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)への対応として提示されたわが国の未来社会像であり,社会や⾃然との共⽣のための循環型社会を,信頼性の⾼い科学技術⼒と質の⾼い社会データを結びつけることにより実現するとされている.狩猟社会(Society 1.0),農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会では,Internet of Things(IoT)で全ての人とモノがつながり,さまざまな知識や情報が共有され,人工知能(Artificial Intelligence, AI)により,必要な情報が必要な時に提供されるようになり,ロボットや⾃動走行車などの技術で,少子⾼齢化,地方の過疎化,貧富の格差など現代社会のさまざまな課題を克服することが期待されている.すでに医療の場においてもAIやロボットの導入が着々と進んでいる.2020年にはスマホアプリが保険適用となり,スマートウォッチが医療機器として承認された.バージョン4.0の情報化社会の医療で実現している技術を踏まえた上で,Society 5.0で求められる医療の在り方や,医療者の役割を考えたい.