抄録
当センターは薬剤耐性対策として,内服抗菌薬処方例に対し「抗微生物薬適正使用の手引き第二版」に基づく適正使用判定を行ってきた.2022年度の適正判定率は49%であった.適正判定とならなかった主な原因に,急性中耳炎軽症例への抗菌薬投与があった.急性中耳炎は重症度により治療法が違うため,軽症と中等症以上に分け,適正使用を判定する必要がある.今回,2022年4月1日から2023年3月31日までの急性中耳炎患児を対象に,電子カルテより重症度スコアを算出し,抗菌薬処方状況と併せて調査した.対象者は184人,軽症で抗菌薬なし(適正)は93件(79%),ありは25件(21%),中等症以上で抗菌薬なしは31件(47%),あり(適正)は35件(53%)であった.抗菌薬不処方例については現在モニタリングできていないにもかかわらず,中等症以上での抗菌薬不処方例は47%に上った.抗菌薬の不適正使用だけではなく「不適切不処方」への介入も取り組むべき重要な事項であると考える.