日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
原著
新生児早発型細菌感染症に対する広域抗菌薬調査(単一施設・後方的研究)
巽 道代新沼 悠介菅原 満武隈 洋
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2026 年 38 巻 1 号 p. 83-87

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抄録
新生児早発型細菌感染症の管理は新生児医療にとって重要であり,在胎週数や母体情報などを参考に発症リスクのある患児を対象に広域の抗菌薬予防投与を行う必要がある.本研究は,2019年から2023年に北海道大学病院新生児集中治療室に入院した新生児を対象に,新生児早発型細菌感染症の発症予防目的に投与された広域抗菌薬の使用状況と感染発症率を後方視的に解析した.出生直後に広域抗菌薬を投与された児155例中,予防投与群は135例,感染例を除く感染徴候群は19例,感染症発症は1例であった.発症例の母体血液培養および児の血液培養から起因菌は検出されなかった.155例に投与された広域抗菌薬は培養検出菌をカバーしていた.抗菌薬の予防投与日数は減少傾向にあったが,新生児早発型細菌感染症の発症率は増加していなかった.これより早発型細菌感染症発症予防に対して有効な抗菌薬投与が実施されていると考えられた.1例当たりの抗菌薬使用日数は減少した可能性が示唆された.早発型細菌感染症発症予防に対して,抗菌薬適正使用のための努力が行われていると考えられた.
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