密教文化
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〈勇者の饗宴〉儀礼と金剛乗の比丘
静 春樹
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2005 年 2005 巻 214 号 p. L1-L25

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抄録

筆者はこれまで、インド後期密教に現れる集団的修法を研究してきた。その中心的な儀礼がガナチャクラ (ganacakra 以下、聚輪) である。後期密教も時代が下るとその文献には、聚輪儀礼に付随する形で新たに〈勇者の饗宴〉(virabhojya/virabhojya) 儀礼が現れてくる。本稿はこの儀礼を聚輪儀礼との関連の下に検討し、先ず儀礼メンバーの構成が伝統的な比丘・比丘尼僧伽と重なることを見る。次に当儀礼と聚輪儀礼が相違する点を述べる。そしていわゆる「在野の密教行者集団」と「教団密教」の相互交渉を視野に入れて、僧伽が全面的に参加するこの〈勇者の饗宴〉儀礼を僧団 (僧伽) の側に視点を当てて論じる。

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