環境化学
Online ISSN : 1882-5818
Print ISSN : 0917-2408
ISSN-L : 0917-2408
ODSカートリッジ捕集法を用いた大気中農薬の分析
藤森 一男沖 典男中野 武辻 正彦奥野 年秀
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 1 巻 3 号 p. 575-581

詳細
抄録

大気中農薬の分析法について検討し, 次の結果を得た。
(1) 吸着管としてSEP-PAKC18を用い, 24時間で10001の大気を採取して, 80~100%の農薬を捕集できる。
(2) 被検物質をn-ヘキサンで抽出, 0.1mlまで濃縮しGC-MS (SIM) によりng/m3のレベルで定量することが可能である。
上記の方法を用い, モデルとしたゴルフ場において大気調査を実施した。
1991年6月から8月までに採取した89試料のうち82試料からダイアジノン (最高140ng/m3) , 80試料からフェニトロチオン (最高150ng/m3) , 79試料からベンフルラリン (6ng/m3) , 34試料からクロロタロニル (最高8ng/m3) , 25試料からフルトラニル (最高17ng/m3) を検出した。また検出頻度は低いが, トルクロホスメチル (最高14ng/m3) , ペンディメタリン (最高1ng/m3) , イソプロチオラン (最高0.7ng/m3) , クロルピリホス (最高110ng/m3) も検出された。
これらのことから, 本研究により開発した分析方法は, ゴルフ場における大気中農薬の分析に有用な方法であると思われ, 今後のモニタリングに応用する予定である。
この研究の一部は, 平成2年度環境庁委託調査研究でなされたものである。

著者関連情報
© 日本環境化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top