抄録
トリブチルスズ化合物 (TBT) , トリフェニルスズ化合物 (TPT) を分析する方法として, 1) 臭化水素酸処理カラム使用のECD・GC法, 2) アルキル化によるFPD・GC法の2法を比較検討した。両方とも回収率は90%前後で, CV%も2~5%と再現性も高かった。中でも, 使用カラムの前処理を十分に行うと, 1の方法は分析操作も簡易で良い方法と思われた。
仙台港地先海域の有機スズ汚染を把握する目的で, 1の方法を用いて調査を行った。結果は, 仙台港内港, 外港共にTBT, TPTが検出され, 外港と比べると内港は, 船舶塗料由来と思われる高い濃度が検出された。