環境化学
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加熱下におけるばっきと細孔分布の異なる活性炭による水道水中の残留塩素, トリハロメタン, 2-メチル・イソ・ボルネオールの濃度変化
浦田 隆行徳満 修三清野 竜太郎田坂 雅保
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2000 年 10 巻 4 号 p. 857-865

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抄録
液相と平衡にある気相のトリハロメタンの濃度は温度の上昇とともに増大する。さらに, 河川水を原水とした水道水中のトリハロメタンの主成分であるCHCl3は90℃においては液相よりも気相での濃度が高くなった。
湯沸かし器で加熱水中に空気を吹き込み, 気相と液相の接触面積を増加させると, トリハロメタンは液相から気相に速く移動した。トリハロメタンを効果的に除去するためには, トリハロメタンを含む気体を装置外へ排出することが必要である。
使用初期の活性炭は, 加熱水中でトリハロメタンを吸着した。細孔径が広く分布している活性炭は, 吸着したトリハロメタンを完全には脱離できないが, 細孔径が1.4nm程度の分布の狭い活性炭は, 100℃程度でも吸着したトリハロメタンをほぼ100%脱離することができた。したがって, トリハロメタンの除去のために, 分布の狭い活性炭は長い寿命をもっていた。
2-メチルイソボルネオールは加熱水中でも活性炭に吸着され, 100pg/l程度の濃度であれば, 活性炭はその吸着性能を長期間維持した。
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