環境化学
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炭素樹脂吸着―熱脱離法を用いた土壌ガス中の揮発性有機化合物の微量分析法
中牟田 啓子福嶋 かおる松原 英隆神野 健二
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2000 年 10 巻 4 号 p. 849-855

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抄録
土壌ガス中のVOC分析法として, 炭素樹脂吸着管に土壌ガスを捕集したのち熱脱離し, GC/MSで分析する方法 (樹脂吸着法) について検討を行った。その結果, 従来より用いられているヘキサン固定法や検知管法の1000倍以上の高感度で, 多成分が同時に測定できることがわかった。この方法を用いてPCEによる地下水汚染現場で土壌ガス調査を行ったところ, 検知管では不検出の地点においても土壌ガス中のPCEを測定することができた。また, 未知の汚染源調査の目的で, 2kmメッシュで一般環境土壌のガス調査を行ったところ, 1, 1, 1-トリクロロエタンとTCEについて, 数地点で, 周辺大気より高濃度のVOCを検出した。これらの地点での, 汚染の可能性が推察された。
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© 日本環境化学会
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