環境化学
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廃棄物のホウ素含有量と溶出量
長谷川 陽一松脇 崇晃吉永 淳柳沢 幸雄貴田 晶子安原 昭夫中杉 修身松江 秀明米沢 仲四郎
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2001 年 11 巻 1 号 p. 17-25

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抄録
廃棄物埋立処分場浸出水中に高頻度, 高濃度に見出されるホウ素の起源をさぐるために, 159試料の各種廃棄物のホウ素含有量および環境庁告示46号試験法に準じた試験法による溶出濃度を測定した。焼却残さ (ばいじん・飛灰, 燃えがら・焼却灰) , 鉱滓のホウ素含有量が汚泥, 建築廃材, 廃プラスチックなどにくらべて高いこと, 公定法による溶出試験では, どの廃棄物も高い溶出濃度を示さなかったこと, などが明らかとなった。しかし, 焼却残さの溶出濃度は, 溶出に用いた水のpHに依存し, 埋立地浸出水に通常見られる中性においては, 溶出試験公定法で得られる溶出濃度の4倍程度多く溶出する可能性が統計的に推計された。一方, ガラス・陶磁器類, 強化プラスチックなどは高いホウ素含有量・溶出濃度を示す場合があった。以上の結果から, 廃棄物埋立処分場浸出水の起源となる可能性の高い廃棄物として, 焼却残さ, 鉱津, ガラス・陶磁器類, 強化プラスチックを挙げることができた。
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