抄録
試料平均化装置およびGC/MSを用いた自動分析装置によって, 大気中の揮発性有害大気汚染物質の連続測定を行い, 手分析による測定値と比較した。自動分析装置による測定可能物質は38物質であったが, このうち大気中から検出された26物質について連続測定および手分析の整合性評価を行った。1ヶ月以上の連続測定の期間中, ほとんどの物質で保持時間は安定であり, 内部標準物質 (フルオロベンゼン) のイオン強度比 (確認イオン/定量イオン) も安定であった。手分析との比較では, 検出された物質の約6割はおおむね自動分析装置の測定値は手分析と整合性がとれた値となった。しかし, ジクロロメタン等の数物質では今後, さらに検討が必要であった。また, 自動分析装置と手分析の測定値の相関係数は, フロン類等の大気中濃度が殆ど変化しない5物質を除くと多くの物質で高い値であった。