環境化学
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青森県における降雪の化学組成
高久 雄一五代儀 貴島村 匡
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2001 年 11 巻 2 号 p. 273-282

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抄録
青森県内2ヵ所 (六ヶ所村及び八甲田山) の降雪および樹氷の着氷部中の50成分の分析を行った。その結果, 各元素の濃度は, 8桁の範囲 (mg/kgからpg/kg) で分布している。しかし, それぞれの試料中の元素濃度には違いがみられたが (着氷中の濃度が降雪に比べて高い値を示す) , 各成分比及び希土類元素パターンは非常に似通っていることがわかった。また, 同時に, 3種類 (4点) の標準試料自動車排出粒子 (NIES-8) , コールフライアッシュ (JCEA-1, MST-1633) , 土壌 (IAEA-7) を用いて水抽出実験を行った。各溶液のpHは, NIES-8のみ酸性となり, 他の試料は中性またはアルカリ性となった。さらにNIES-8の化学組成と降雪とを比較すると各成分比は非常に似通っており, 自動車排出粒子が降雪の酸性起源物質となりうる可能性があることが判明した。
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© 日本環境化学会
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