環境化学
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ドライアイスの試料保冷剤としての特質と利用事例およびそのための各種断熱容器の性能試験
渡辺 征夫中西 基晴泉 克幸石井 忠浩
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2001 年 11 巻 2 号 p. 283-293

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抄録

ドライアイスは, 一般的な冷媒の中で他と比較して1.5~2.5倍の高い熱吸収率を有し, また使用前後で固体から気体となるので使用し易いなどの利点を有している。本報では, このようなドライアイスを試料採取や保存に用いる方法とそのための容器を検討した。使用方法として, ドライアイスを有機溶媒や水に浸す, あるいは粒状のものとして利用する方法を解説した。また容器としては, 発泡スチロール箱 (壁厚; 1.6~5cm) やFRP/ポリウレタン製箱 (壁厚; 4~6.5cm) , あるいはガラス製とステンレス鋼製のデュワービンなどについて, それぞれの断熱効率などを試験すると同時に, 実際に用いる場合の利点や欠点を整理した。箱型容器とデュワービンのドライアイス消失速度は, それぞれ40~100g/hr, 10~50で, また熱貫流率は, それぞれ0.3~1.3kcal/ (m2・hr・℃) , 0.2~0.6であった。輸送に適した壁厚のFRP/ポリウレタン製箱を用いることで, 10kg充填で3日間, 35kgで7日間, 冷媒の補充をすることなく多量の試料を-70℃以下に維持したままで輸送できることが分かり, 遠隔地で採取した熱的に不安定な試料を収集して一ヵ所で分析することが可能となった。また, 長期の輸送用に考案した2重構造の大容量保冷容器についても解説をした。

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