環境化学
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炭化物および活性炭からのソックスレー抽出によるPCB抽出率の検討
大林 宏至吉田 幸弘芳賀 直樹高橋 康之
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2001 年 11 巻 4 号 p. 849-854

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抄録
固体試料の分析において正確に定量するには, その固体試料から目的物質を完全に抽出することが重要である。本研究では, 吸着性能を有するため, その抽出が特に困難とされている炭化物および活性炭から微量PCBの抽出率を調査した。トルエン, ベンゼン, ジクロロメタンおよびn-ヘキサンの4つの溶媒を用いてソックスレー抽出によるそれぞれの抽出率を比較した結果, トルエン, ベンゼン, ジクロロメタンはほぼ同じ抽出効率であったのに対し, n-ヘキサンの抽出率はこれらの10%であった。また, トルエンを溶媒に, 16時間抽出を同一試料に対して4回 (計40時間) 実施し, さらに高速溶媒抽出を2回実施したが, 1回目の抽出で全抽出量の95%以上の抽出率が得られた。従って, 本研究により, トルエンを溶媒に用いた16時間のソックスレー抽出が吸着性能を有する炭化物および活性炭からのPCBs抽出に有効であることを確認、した。
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© 日本環境化学会
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